「署名(自署)」「サイン」「記名」の定義や違い、法的効力について解説
普段様々なシチュエーションで「署名をする」「サインをする」「記名を行う」等、何気なく耳にしたり、身近に使われている言葉となりますが正確には意味や使い方が異なります。
一見自分の名前を書く、というざっくりとした概念においては、「署名(自署)」「サイン」「記名」は、同じだが法的な観点になると証拠能力の高さや有効性が異なってきます。
本記事では、「署名(自署)」「サイン」「記名」それぞれの言葉の意味や定義、法的効力について、解説します。
【この記事でわかること】
- 「署名(自署)」「サイン」「記名」の一般的な使われ方や意味・定義・それぞれの違い
- 「署名(自署)」「サイン」「記名」それぞれにおける法的拘束力
「署名」の意味・定義・一般的な使われ方・場面【法的には”自署”】
「署名」とは?法的には「自署」
「署名」とは、本人が自分自身の名前を自筆で書くことを定義します。
また、「署名」については、法令では「自署」とも言います。
「署名(自署)」について、以下Wikipediaより引用
署名(しょめい、英語: sign, signature)とは、
行為者がある行為(例えばクレジットカードの利用時)をする際に、自己の氏名を自署すること、また自署したものである。記名との違い
記名は、(狭義には)署名以外の方法で書類等に氏名・名称を記すことをいう。記名が必要とされているのみの場合は、自署を必要としない(例:記名証券・無記名証券)。一方、署名は自署を要求される。法律上の署名行為
通例、意思表示があったことを示すものとされる。
日本法上、本来「署名」とは自署(手書きでの記名、いわゆるサイン)を指すが、自署に代えて記名押印が求められることが多い。引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BD%B2%E5%90%8D
「署名(自署)」の法的拘束力について
「署名(自署)」は、法的観点になると比較的拘束力が強いモノとされております。
法的拘束力が強い理由として、「署名(自署)」は、読んで字のごとく、自分自身(本人自ら)が名前を手書きで記すことを意味しているため、判断材料が多く、癖やパターン等が特徴として現れる他、
本人が書いた「署名(自署)」であるか否かは、筆跡鑑定によって一定明確にできるため、法的拘束力が高いとされております。
「サイン」の意味・定義・一般的な使われ方・場面【サイン≒署名】
自筆という意味で「サイン」と「署名」はほとんど同義であると言えます。
なお、日本では、「署名」よりも「サイン」の方が聞くことも、実際に使うことも多いのではないでしょうか。
「サイン」という言葉は、日本では良くも悪くも広くかつライトに使われている印象です。
「記名」の意味・定義・一般的な使われ方・場面
「記名」とは読んで字のごとく、氏名を書き記すことを指します。
「記名」については、自筆である必要性がないため、ゴム印や印刷、あるいは本人ではなく、他人が代筆したケースにおいても「記名」と定義されます。
自筆でなくても良い点、代筆もOKな部分が「署名(自署)」や「サイン」と異なる部分となります。
どのように異なる?
「署名(自署)」「サイン」「記名」それぞれの違いについて・使い分け等
「署名(自署)」「サイン」「記名」それぞれの違いについて図表でまとめてみました。
「サイン」≒「署名(自署)」 | 「記名」 |
自分自身(本人自ら)が名前を手書きで記すこと | 氏名を書き記すこと |
⇒法的拘束力が高い・証拠能力として強い |
⇒法的拘束力が低い・証拠能力として弱い |
ビジネス&契約書等において最も法的効力が高いのは「署名(自署)」「サイン」「記名」どれ?
ビジネス&契約書等において最も法的効力が高いのは「サイン」≒「署名(自署)」>「記名」の順番となります。
しかし、実態としては、未だ日本においては、信用度としては印鑑がかなり高い、というのが実情です。
そのため、「署名(自署)」「サイン」に加えて、「捺印」を実施することが最も証拠能力が高いと言えます。
次点で「署名(自署)」のみ、「サイン」のみという位置づけとなります。
また、印鑑の信用度が高いことで「記名」&「押印」でも有効な場面もございますが「記名」のみでは法的効力が発揮される場面は皆無といえます
まとめ:「サイン」、「署名(自署)」が証拠能力として高い
本記事では、「署名(自署)」「サイン」「記名」の定義やそれぞれ違い、法的効力等について解説させていただきました。
重要ポイントについて、以下にまとめさせていただきます。
- 日本においては「サイン」と「署名(自署)」は同義(ほとんど同じ)
- 法的拘束力は、「サイン」≒「署名(自署)」>「記名」
- 未だ日本においては、印鑑の信用度が絶大
つまり、「サイン」あるいは「署名(自署)」に対して+「押印」が証拠能力が最大化された状態となります